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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍(4) 婦人科悪性腫瘍に対するFDG-PETの診断学的有用性の検討
小澤 克典, 浅見 哲司, 鹿沼 達哉, 笠原 慶充, 今井 文晴, 水竹 佐知子, 伊吹 友二, 岸 裕司, 五十嵐 茂雄, 中村 和人, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科
[目的]近年の画像診断学の進歩にはめざましいものがあり,婦人科領域でもCT,MRIはもちろんPETの使用頻度も増えてきた.今回我々は,各種婦人科悪性腫瘍の病巣の広がり診断や再発病巣の検索にFDG-PETを用いた症例について解析し,CTやMRIとの比較をおこない,その有用性について検討したので報告する.[方法]対象は平成9年から平成14年までの6年間にFDG-PETを行った婦人科癌症例11例である.症例の内訳は,子宮頚癌4例,卵巣癌4例,原発性腹膜癌2例,絨毛癌1例である.PETを施行した目的別症例数は,再発部位診断診断目的9例,原発巣の同定目的2例,腫瘤性病変の非癌診断1例である.これらの症例について同時に行ったCT,MRIなどと,腫瘤性病変の検出感度,癌と非癌の鑑別精度などについて比較検討した.[成績]原発性腹膜癌や卵巣癌などの腹膜播種の検出は困難であった.絨毛癌化学療法後hCG陰性化後の肺腫瘤性病変の非癌診断には有用であった.再発部位診断では,リンパ節再発の同定にはCTによるリンパ節腫大が小さい場合においても転移の確定に有用であった.[結果]リンパ節転移巣の広がりについてはPETの感度が優れていることが明かとなった.膀胱を空虚にしなければ小さな骨盤内病変については判定が困難であったことは従来から指摘されている.PETは癌細胞のviabilityを反映することから,化学療法による効果判定に用いられる可能性があるが,絨毛癌肺転移巣が複数個存在し,その内の1つが化学療法によるhCG陰性化後も縮小傾向の認められなかった症例に対する治療中止の最終的な決定にはPETが決め手となった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
130-130, 2002
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