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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
良性腫瘍(1) 子宮筋腫または子宮内膜症に対する閉経導入を目的としたGn-RHアゴニスト(Gn-RHa)療法(以下逃げ込み療法)は有効か?
舞床 和洋, 許山 浩司, 落合 和徳, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科
【目的】閉経間近の子宮筋腫もしくは子宮内膜症などのエストロゲン依存性良性疾患患者に対してGn-RHa投与による閉経誘導療法(所謂逃げ込み療法)の有効例を予測するために,Gn-RHa投与終了後の無経期間,無経率とその患者背景をレトロスペクティブに調査した.【対象と方法】対象は逃げ込みを目的として徐放性Gn-RHa(酢酸リュープロレリン1.88:LEUまたは酢酸ブセレリン1.8:MP)を投与した,手術療法を希望しない45歳以上の子宮筋腫または子宮内膜症患者49例.投与終了後の無経期間,無経率と,投与前年齢,身長,体重,BMI,月経不順の有無,などの患者背景との関係を調べた.【結果】1年後の無経率は全体で10.6%で,Gn-RHa投与前BMI<22群で有意に高かった(21.0%:p<0.01).無経期間とGn-RHa投与前BMIは負の相関関係を示した(R2=0.28:p<0.01).無経期間の平均は155.3±92.8日で,BMI<22群はBMI≧22群に比し有意に長く(210.8±99.6 vs 104.7±46.0:p<0.01),LEU投与群もMP投与群に比し有意に長かった(168.6±94.7 vs 94.4±54.7:p<0.01).無経期間が6カ月以上の群は以下の群に比しBMIが有意に低く(20.0±1.9 vs 23.5±3.1:p<0.01),年齢が高い傾向にあった.BMI<22かつ無経期間6カ月以上の群の患者背景についてみると,身長が有意に高く(160.3±3.6 vs 152.8±2.4:p<0.01),体重が有意に重かった(50.8±5.1 vs 46.7±3.3:p<0.01).また投与前年齢が高い傾向にあり,LEU投与例に多い傾向がみられた.【結論】Gn-RHa投与後閉経に逃げ込める可能性のある患者背景としては,年齢よりもむしろ身長,体重などの体型が重要であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
135-135, 2002
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