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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
良性腫瘍(2)
巨大卵巣腫瘍と鑑別に苦慮した液状変性巨大子宮筋腫の1例


佐原 雅代1), 星合 敏久1), 小菅 浩章1), 岡宮 久明1), 中村 幸雄2)
久我山病院産婦人科1), 杏林大学産婦人科2)


 今回我々は,漿液性と充実性の混在した巨大卵巣腫瘍と鑑別に苦慮した液状変性巨大子宮筋腫を経験したので報告する.患者は44歳,2妊2産,既往歴,家族歴に特記すべき事項なし.月経痛(−),過多月経(−),月経周期28日型整.数年前より頻尿があったが放置.平成13年4月頃より背部痛,下腹部膨隆を自覚し9月に入り他院受診する.巨大卵巣嚢腫の診断にて当院紹介され11月6日初診.腹部触診で上腹部まで占める可動性不良の腫瘤を触知した.経腹超音波では,ダグラス窩から肝下面まで達するmass echoが認められ,その下方から中央部までが充実性に,上方はcysticに描出された.CT上,腹部〜骨盤腔にかけて直径30cmはある巨大な腫瘤を認め,腫瘤は嚢胞と思われる低濃度と,不定形で筋肉と等濃度を示す部分より構成されていた.MRI上,充実部分が変性子宮筋腫と類似した信号を示しており腫瘤自体が子宮後壁と密に接していた.巨大卵巣腫瘍(莢膜細胞腫,卵巣癌,転移性腫瘍等)も否定できないものの変性した漿膜下筋腫を疑った.その他,貧血はなく,腫瘍マーカーも異常なかった.12月10日入院,12日開腹術施行.腫瘍は子宮頚部後壁から発生し後腹膜,尿管を巻き込んだ巨大子宮筋腫のようであった.その上方には厚い壁で巨大なカプセルを形成し黄色透明の液体4300mlを貯留していた.手術ではこれを先に穿針吸引し腫瘍を小さくして腹腔外へ脱出させた上で,単純子宮全摘術+両側付属器切除術を施行した.検体重量は4500gであった.病理組織所見では多房性の変性を伴う平滑筋腫であった.多房性に液状変性した中の一つが巨大に成長しこれが嚢胞状に見えたものと思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 136-136, 2002


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