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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
良性腫瘍(3)
長径3cm以下の卵巣成熟嚢胞性奇形腫


今井 公俊, 姜 賢淑, 依藤 弘志, 甲田 平吾
静岡市立静岡病院産婦人科


 卵巣成熟嚢胞性奇形腫(以下奇形腫とする)は若年者に好発する,胚細胞性腫瘍の一つである.破裂,感染,茎捻転などの合併症が起こり得る事,自然退縮が期待出来ない事,長期間後,特に閉経後に悪性転化する可能性が有る事などから通常は発見次第手術的に摘出する事が適切であると考えられる.併し,経膣超音波によって無症状の小さな奇形腫が発見されるようになり,その取扱いに苦慮するようになった.1996年4月から2002年1月迄の70カ月の間に当科外来で診断された長径3cm以内の奇形腫は7例で,年齢は35〜50歳(平均40.9歳),全て無症状で内診時経膣超音波にて発見された.超音波上,fat-fluid levelを認めたものが2例で,左が5例,右が2例であった.MRI検査を追加したものが4例で,全例奇形腫に一致した画像を得た.1例は外来経過観察中に閉経に至った為,手術的に摘出し,病理上も奇形腫と確認出来た.最長5年半経過を追っている1例では長径が18mmから24mmへと徐々に増大しているが,総じて奇形腫の発育速度は遅いと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 138-138, 2002


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