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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
子宮内膜症(1) MRIを用いた卵巣チョコレート嚢胞粘稠度予測の検討
杉村 彩子, 菊地 盤, 桜井 明弘, 武内 裕之, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科
【目的】MRIを用いて卵巣チョコレート嚢胞内容の粘稠度を予測できるか否か検討した.【方法】2001年4月〜12月まで,腹腔鏡下卵巣チョコレート嚢胞摘出術を施行した64症例73卵巣を対象とした.MRI所見で,筋肉より白いものをhigh,筋肉より黒いものをlow,筋肉と同程度のものをisoとし,T1がhighでT2がlowのL群,T1がhighでT2がisoのI群,T1がhighでT2がhighのH群の3群に分類した.嚢胞内容の粘稠度は術中に吸引した時の所見により1.水様性,2.吸引スムーズ,3.ネリチョコ様(希釈しないと吸引できない),4.ケシズミ様内容ありの4群に分類し,MRI所見と嚢胞内容の粘稠度との相関を検討した.【結果】L群は16嚢胞,I群は16嚢胞,H群は41例であった.平均年齢はL群:32±6.6歳,I群:35±7.7歳,H群:33±5.7歳であった.嚢胞径の平均はそれぞれ37.4±17.0mm,53.8±22.2mm,44.5±21.9mmであった(NS).粘稠度の中央値(range)は,それぞれ3(2−3),3(1−4),2(1−4)であり,L群とH群,I群とH群間に有意差がみられた(Mann-Whitney検定,p<0.01).【結論】L群とI群はともに粘稠度が高く吸引しづらい傾向があり,H群は粘稠度が低く吸引しやすい傾向があることが明らかとなった.超音波下エタノール固定等の嚢胞内容の吸引が必要となる治療には,施行前にMRIで嚢胞内容の粘稠度が予想できる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
139-139, 2002
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