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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠 付属器腫瘍が疑われた子宮外妊娠の1例
長谷川 晶子, 山崎 輝行, 波田野 久昭
飯田市立病院産婦人科
臨床経過より付属器腫瘍を疑い,病理検査にて陳旧性子宮外妊娠と判明したが,尿中hCG陰性であった症例を経験したので報告する.症例は26歳既婚.2回経妊2回流産.2001年6月に流産後,月経は順調であった.同年9月,右下腹部痛を主訴に当科を受診.超音波検査上,右卵管腫大を認めるとともに,同部位に圧痛を認めた.卵管炎が疑われ,抗生物質投与を行った.症状は軽快するも,超音波検査上,右卵管腫大は増大し,同部位に腫瘤を形成していた.MRIでは右卵管瘤嚢腫が疑われたが,症状軽快に反し,腫瘤の増大がみられたことから,悪性付属器腫瘍の可能性も否定できないと考え,手術となった.腹腔内を観察してみると,腫大した右付属器が骨盤壁に癒着し,さらに大網が癒着していた.右付属器切除を施行した.術中迅速病理診断にて,血腫,壊死組織の中にゴースト状のchorionic villi様の構造が見られ,卵管妊娠の可能性が高いとの診断であった.永久標本でも同様の所見であり,また免疫染色ではHCG陽性であった.病理検査の結果より陳旧性卵管妊娠と診断された.迅速病理診断の結果を受け,術中に尿中HCG検査を施行するが,陰性であった.術後,術前の血液によりHCG-EIAを施行すると27mIU/mlと陽性であったが,その後はHCG-EIAは陰性化し,月経も順調である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
141-141, 2002
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