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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
不妊・内分泌(1) 当院におけるPCOS合併不妊症例に対する治療法の検討
遠藤 尚江1), 廣嶋 牧子1), 舞床 和洋1), 秋山 芳晃1), 大浦 訓章1), 許山 浩司1), 楠原 浩二2), 田中 忠夫1)
東京慈恵会医科大学産婦人科1), 楠原レディースクリニック産婦人科2)
【目的】挙児希望のあるPCOS症例に対しては,まずクロミフェン(C. C)を投与し,その無効例についてはゴナドトロピン(Gn)療法あるいは腹腔鏡下手術療法(drilling)を選択するが,どちらを第一選択にするかはまだ結論が出されていない.そこで当院における両群の治療成績を比較検討した.【対象】挙児希望のあるPCOS症例24例に対し,Gn療法を行い,中等度以上のOHSSを発症した症例,OHSSの発症を予測しHCG投与をキャンセルした症例,またこれらの治療により妊娠に至らない症例の計17例にdrillingを施行,その他7例はGn療法を続行した.【方法】drillingi施行群と非施行群で排卵率・妊娠率・OHSS発症率・多胎率・流産率などを比較した.さらに,drilling施行群では術後1〜2周期の自然排卵観察の後C. C投与し,妊娠に至らなければGn療法に移行し,術前後で同様に比較した.【結果】drilling非施行群でのGn周期排卵率は73.9%(17/23)で,OHSSは8周期(35%)に出現した.妊娠は4例6周期で成立し,多胎1例,流産3例であった.drilling施行群での術前の排卵率は81.8%(44/54)で,OHSSは22周期(37%)に出現した.術後は自然排卵により2例,C. Cにより1例,Gnにより7例が妊娠成立し,OHSSの発症率は3.8%(1例)と術前に比べ有意に低率であった.また,術後妊娠例に多胎や流産は認められなかった.術後LH基礎値は有意に低下した.【考察】C. C抵抗性のPCOS症例に対してGn投与前にdrillingを行うことも有用な選択肢と考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
143-143, 2002
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