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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
不妊・内分泌(3)
早発卵巣不全症に対する排卵誘発法の検討


大石 晃良1), 高田 佳世子1), 竹内 欽哉1), 北村 公也1), 後藤 淳子1), 西口 富三1), 金山 尚裕1), 若原 靖典2), 菅沼 信彦2)
浜松医科大学産婦人科1), 豊橋市民病院不妊センター2)


【目的】早発卵巣不全(premature ovarian failure:POF)は,40歳未満でhypergonadotropic hypergonadism(FSH>50mIU/ml,E2<10pg/ml)を呈する続発性排卵障害である.病態として原始卵胞の消失を伴う早発閉経と,Gnに対する卵巣の感受性の低下を示すgonadotropin-resistant ovary(GRO)が考えられ,GROでは排卵誘発が可能である.排卵誘発法としては,hMG投与,GnRHa投与ならびに両者の併用療法なども行われているが効果は不良で,E製剤の単独投与あるいはP製剤との併用投与が最も効果的と報告されている.しかしながら,その排卵誘発効果は偶然性が高く,投与法は確立されていない.そこで我々は,POF患者にE単独投与を行ない,排卵誘発成功時と不成功時のホルモン動態を比較検討することにより最良のプロトコールの作成を試みた.【対象・方法】E製剤(mestranol,0.02〜0.06mg/日)を28日間投与し,基礎体温,超音波,血中FSH,E2,P測定にて卵胞発育・排卵の有無を観察した.卵胞発育が認められない場合には,P製剤により消退出血を惹起し,月経2日目より同様の治療周期を再開した.POF患者12例の内,E投与にて排卵誘発が行い得た3例を対象とした.【結果】排卵成功周期(計14周期)のFSH値は17.8±6.8mIU/ml(11.0〜24.6)で,平均±SDより外れた周期は2周期(14%)のみであった.これに対し,非排卵の20周期45回の測定では11.0mIU/ml未満が17回,24.7以上が20回と82%(37/45)で平均±SD範囲外であった.E製剤の投与量に関しては一定の傾向は見られなかった.【結論】以上の結果より,POF患者の排卵誘発においてはFSH値を11〜25mIU/mlとなるようE製剤を投与することが最適であると推察された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 146-146, 2002


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