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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
絨毛性疾患
未経産婦に発症したPSTTの一例


岩本 豪紀, 奈良 政敏, 藥袋 牧子, 深澤 宏子, 本多 つよし, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨医科大学産婦人科


 PSTT(placental site trophoblastic tumor)は妊娠後,胎盤付着部の子宮筋層内にintermediate trophoblast様腫瘍細胞が浸潤する極めて希な絨毛性疾患である.その希さ故,この疾患の病態生理は十分に解明されていないが,約20%が悪性経過をたどるとされている.今回我々は,未経産婦に発症したPSTTの症例を経験したので報告する.症例は20歳,近医にて9カ月前に人工妊娠中絶施行後,不正性器出血を繰り返し,市販の妊娠反応検査薬で陽性反応が検出されたため同医受診,経腟超音波断層検査上,子宮内に胎嚢を認めず,筋層内に腫瘍性病変を認めたため,当科紹介となった.当科にて,経腟的腫瘍生検を行ったところ,腫瘍に絨毛組織は認められず,子宮筋層内にintermediate trophoblast様腫瘍細胞が発育しており,免疫組織染色にてもhPL陽性細胞を高率に認めたため,PSTTを強く疑った.基本的には子宮摘出の適応と考えられたが,患者は未婚,未経産であり,患者,家族とも相談したところ,妊孕性の温存を強く希望したため,腫瘍縮小目的にEMA/CO療法を2クール施行した.その結果,血中hCG値は低下したが,腫瘍は増大傾向を認めた.悪性経過をたどる可能性,化学療法に不応である点を考慮し,再度,患者,家族と相談し,子宮全摘を施行した.手術摘出標本の病理所見よりPSTTと確定診断した.術後,血中hCG値は速やかに低下,現在経過観察中であるが,腫瘍の再発は認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 149-149, 2002


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