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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
妊娠中毒症(1) 妊娠16〜20週の子宮動脈血流波形と血清レプチンの組み合わせによる妊娠中毒症発症予知の改善に関する検討
平嶋 周子1), 大口 昭英1), 鈴木 泉1), アユスタワテイ2), 松原 茂樹2), 柴原 浩章2), 鈴木 光明2), 佐藤 郁夫2)
厚生連上都賀総合病院産婦人科1), 自治医科大学産婦人科2)
【目的】妊娠中期の子宮動脈血流速度は,妊娠中毒症の発症を予知しうる.しかしながら,そのsensitivityは,約50%程度と満足しうる値とはいえない.近年,妊娠中毒症ではその発症に先行して血清レプチン値が上昇していることが示唆されている.そこで我々は,妊娠中期における子宮動脈血流速度波形と血清レプチン値の組み合わせが妊娠中毒症発症予知におけるsensitivityの改善に有用か否かを検討した.【対象及び方法】対象は,妊娠16〜20週に子宮動脈血流速度波形及び血清レプチンを測定した100例.血清レプチンの測定はインフォームドコンセントのうえ行った.妊娠中毒症は血圧140/90mmHg以上かつ尿蛋白陽性例とした.【結果】100例中5例(5%)から妊娠中毒症が発症した.子宮動脈血流波形においてbilateral notchesを認めた20例中3例に妊娠中毒症が発症した.また,血清レプチン値が95% centile以上を示した6例中1例から妊娠中毒症を認めた.子宮動脈血流波形異常かつ血清レプチン高値例25例中4例より妊娠中毒症が発症した.【結論】妊娠中期の子宮動脈血流波形と血清レプチン値の組み合わせによりsensitivityが60%から80%に上昇した.このように,これらの組み合わせは妊娠中毒症の発症予知に有用かも知れない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
153-153, 2002
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