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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
妊娠中毒症(1) 当院における妊婦肝機能障害の要因
若月 雅美, 小木 三郎, 阿部 俊之, 松下 径広, 五十嵐 俊夫, 鴨井 青龍, 河村 尭, 荒木 勤
日本医科大学産婦人科
妊婦における肝機能異常,あるいは肝機能障害は少なくない疾患のひとつである.しかしながらその背景因子の分類に関してはあまり検討されてはきていないのが現状である. 今回当院において妊娠初期より産褥期にかけて発見された肝機能異常を示した,妊婦についてその疾患背景を中心に検討した. 対象例は当院および関連施設にて肝機能検査を受け,GOT,GPTがそれぞれ35IU/ml以上を示した妊婦である. 妊娠初期にはOHSSや重症妊娠悪阻など脱水が関与していると考えられる疾患が大半を占め,妊娠中期より,末期にかけてはHELLP症候群,重症妊娠中毒症,急性妊婦脂肪肝,あるいは多臓器不全をしめす常位胎盤早期剥離や劇症型A群溶連菌感染症などの症例が認められた. ほとんどの症例においてはトランスアミラーゼの中等度の上昇が認められるに過ぎず,予後良好な症例が多かった.しかし急激なトランスアミラーゼの高度上昇を示す例においては,予後不良な症例が含まれていた.また妊娠全期間を通して出現したものは薬剤性肝障害であった. 今回妊娠と肝機能障害との関係を個々の疾患と要因背景を中心に発表する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
153-153, 2002
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