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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
周産期偶発合併症(1)
妊娠中に発症した肺塞栓症合併妊娠の一例


宮崎 泰人, 司馬 正浩, 小泉 仁嗣, 木戸 浩一郎, 笹森 幸文, 篠塚 憲男, 綾部 琢哉, 森 宏之
帝京大学総合周産期母子医療センター産科


 妊娠中に肺塞栓症を発症し,血栓溶解療法,抗凝固療法,下大静脈フィルター留置により救命し得た一例を経験したので,報告する.【症例】28歳,1経妊1経産.前回の妊娠分娩は異常なく,アレルギー性皮膚炎以外に既往歴なし.妊娠18週頃より労作時呼吸困難,咳嗽,胸部痛が出現し,たびたび近医を受診するも,胸部X線,ECG,血液生化学的に異常を認めなかったため,自宅にて経過観察されていた.妊娠24週1日に安静時呼吸困難,胸痛が出現したため救急車にて他医受診.pO2:56.3,pCO2:26.1,pH:7.492,ECGにてV1〜4に陰性T波みられ,肺塞栓症の疑いにて当院CCUに同日搬送された.入院後の胸部造影CTにて右主肺動脈から下葉枝に2×1cm,左下葉枝に径1cmの血栓像を認め診断を確定.直ちにウロキナーゼ,ヘパリン投与を開始し,下大静脈フィルターを留置した.妊娠25週5日にはウロキナーゼを終了し,ヘパリンを低分子ヘパリンに変更した.妊娠26週5日,症状の改善,血栓の縮小傾向,右心負荷所見の改善が認められたため,産科に転科.その後も時に呼吸困難症状出現するも状態は安定し,CTでも血栓の縮小,消失がみられた.胎児モニタリングでも異常は認められなかった.母体の原疾患に対する治療と児の成熟を考慮し,妊娠36週2日,選択的帝王切開術を施行.手術前日まで低分子ヘパリンを持続投与した.術中は出血傾向を認めず,胎盤にも異常所見を認めなかった.児は2,284g,男児,Aps8/9,UApH7.25.低分子ヘパリンは術直後から術後3日目まで再投与した.術後1日目からワーファリン併用開始し,メシル酸ガベキサートを術当日より術後3日目まで投与した.ワーファリンは現在も内服中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 170-170, 2002


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