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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
周産期偶発合併症(3)
妊娠後期に子宮内胎児死亡,DIC,ショック,意識障害で発症した重症急性膵炎合併妊娠の一例


安部 加奈子, 岡根 真人, 市川 良太, 田邉 麻美子, 安積 瑞博
水戸済生会総合病院茨城県周産期センター


 重症急性膵炎は良性疾患にもかかわらず死亡率30%と予後不良の疾患である.そのため急性膵炎は重症度の判定が非常に重要であり,早期診断・早期治療により予後を改善できる.妊娠中に急性膵炎を合併するのは約0.03%と比較的まれであるが,一旦合併すると母児共に重篤な転帰をとることがある.今回我々は,妊娠後期に子宮内胎児死亡,ショック,意識障害,低体温で発症した重症急性膵炎を診断し,集中治療,持続動注療法および持続血液濾過透析を行い救命できた症例を経験したので報告する.症例は35歳1経妊1経産婦.既往歴・家族歴に特記すべきことはなく飲酒歴はない.妊娠30週より悪心・嘔吐が出現し徐々に悪化し,妊娠31週には口渇,全身倦怠感,胎動減少も自覚していた.妊娠31週4日,意識障害出現し救急車で当科母体搬送入院となった.入院時すでに子宮内胎児死亡であり,母体は意識レベル低下,ショック,腎不全,低体温,高血糖,糖尿病性ケトアシドーシスの状態であった.集中治療を開始するも急速にDICが進行した.DICおよび意識レベル低下の状態のまま陣発し妊娠31週5日吸引分娩にて1460gの男児を死産した.産褥0日の腹部エコー,腹部CTおよび高アミラーゼ血症,その他の検査値にて重症急性膵炎(重症度判定基準Stage4の最重症)と診断した.産褥1日より抗生剤と膵酵素阻害剤の持続動注療法および持続血液濾過透析を開始し状態は徐々に改善した.産褥43日の腹部CTでは仮性膵嚢胞が多発するも炎症は沈静化していた.本症例について若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 173-173, 2002


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