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<< 学会誌へ戻る 子宮頚部静脈瘤は極めて稀である．また，静脈瘤の程度によっては子宮摘出を余儀なくされた例も報告されており，周産期における母児管理において注意深い管理を要する疾患である．今回我々は妊娠中，性器出血を繰り返した子宮頚部静脈瘤の症例を経験したので報告する．＜症例＞30歳，1回経妊0回経産．妊娠15週までは順調に経過していたが，妊娠15週より性器出血を繰り返し，切迫流産の診断にて他院で入退院を繰り返していた．妊娠29週の性器出血の際，超音波にて前置胎盤が疑われたため当院母体搬送となった．入院時膣鏡診にて子宮膣部の静脈怒張を認め，同部より出血を認めた．また，経膣超音波では子宮頚管内およびその周囲に静脈瘤と思われる所見を認めた．入院後，静脈瘤に対して子宮膣部のガーゼタンポンを用い止血を行った．子宮頚部からの出血は圧迫により一時的に止血はするものの，分娩まで繰り返し認めた．また，妊娠期間中子宮収縮抑制のため，塩酸リトドリン，硫酸マグネシウムの投与を必要とした．妊娠33週，高位破水を認めたため，妊娠34週緊急腹式帝王切開術を施行し，2,178g，女児，apgar score 5/9を娩出した．術中子宮右側に怒張した静脈を認め，その静脈は子宮頚管まで追跡が可能であった．術中出血は1,185gであった．術後経過は良好で，術後1週間目の経膣超音波では静脈瘤は消失していた．なお，児は経過順調で生後17日目に2,358gで退院となった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 178-178, 2002 |
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