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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
周産期その他
子宮内と頚管同時妊娠における保存療法の一例


井深 京子1), 望月 修1), 鈴木 留美1), 岡田 喜親1), 宇津 正二1), 野田 恒夫1)
聖隷三方原病院産婦人科1), 聖隷三方原病院産婦人科2)


 頚管妊娠は1,000〜18,000妊娠に一例に一例の頻度で発生し,出血のコントロールがつかず子宮全摘術を余儀なくされる可能性の高い疾患である.今回我々は子宮内と頚管内同時妊娠で,薬物療法により子宮を温存できた一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は36歳,3経妊0経産婦,前医にてIVF(ICSI)−ETを施行し妊娠に至った.妊娠7週4日,双胎の一児頚管妊娠の診断にて当院へ紹介受診となった.初診時,子宮は鶏卵大で子宮体部に15mmの枯死卵と頚管内に20mmのGSを認め胎芽心拍は陽性であった.初診時の血中HCGは34,876mIU/mlであった.妊孕性をを強く希望したため,充分なインフォームドコンセントを得て,経膣超音波下でKCL3ml,MTX50mgの局所注入を施行した.4日目の血中HCG13,893mIU/mlと低下が不良であったためMTX50mgの筋注を追加した.5日目にactiveな性器出血とGSの一部脱出を認めたため全身麻酔下で慎重にD&Cを施行した.以後は性器出血はなく,血中HCGも順調に下降し入院後11日目に退院となり現在は外来followとなっている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 178-178, 2002


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