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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))
【一般演題】
周産期その他 晩期分娩後出血の3症例
杉浦 健太郎, 川口 里恵, 遠藤 尚江, 秋山 芳晃, 大浦 訓章, 落合 和徳, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科
産後出血は分娩直後より24時間以内の早期分娩後出血が大部分であるが,まれに産後数日から数週間を経て大出血を来す晩期分娩後出血がある.晩期分娩後出血の多くは予見不能であり,その原因には癒着胎盤,胎盤ポリープ,子宮破裂などが挙げられるがその診断治療には苦慮することも多い.今回我々は晩期分娩後出血の3症例を経験したので報告する.症例1:29歳,1経妊0経産,他院にて吸引分娩,分娩時頚管裂傷にて2,100mlの出血を認めるも,その後鉄剤投与にて貧血も改善,産後12日目退院した.産後21日目大量性器出血にて入院,出血も止まり一時退院も可能となったが,再度大量性器出血を認め,再入院保存的治療に加え経膣的に子宮動脈下行枝を結紮するなど試みるも症状改善せず,産後46日目当院へ搬送入院となった.保存的治療にて止血した.頚管裂傷に連続する子宮破裂を考えた.症例2:37歳,2経妊0経産,他院にて分娩遷延で帝王切開術施行,産後9日目退院した.産後10日目大量性器出血を認め,当院へ搬送入院となった.保存的治療にて止血した.帝王切開後の縫合不全を考えた.症例3:21歳,1経妊1経産,正常分娩,産後6日目退院した.産後8日目大量性器出血を認め当院へ搬送入院,保存的治療にて止血した.しかし産後28日目再度大量性器出血を認め再入院,保存的治療にても止血せず,産後30日目子宮摘出を行った.子宮破裂であった.3症例共に,MRI,CT,血流ドップラーエコー,ヒステロスコープ,HCG測定などの検査を施行したが,確定診断及びその後の治療方針を明確化することは困難であった.晩期分娩後出血に対し,文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2)
179-179, 2002
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