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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
胎児・新生児(2)
胎児水腫を伴った胎児胸水症における胎児胸腔―羊水腔シャントの有用性


八木 洋也, 濱田 洋実, 越智 寛幸, 漆川 邦, 小倉 剛, 小畠 真奈, 渡邉 秀樹, 奥野 鈴鹿, 藤木 豊, 山田 直樹, 宗田 聡, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科


 胎児胸水症は,長期間に及ぶと肺低形成の原因となり,また胎児水腫の進行により周産期死亡にいたる可能性もある疾患である.その胎児期の治療方針としては,保存的管理,胸水穿刺・除去,超音波誘導下の胎児胸腔―羊水腔シャントの造設などがあげられる.今回我々は,胎児水腫を伴った胎児胸水症の5例に対して胎児胸腔―羊水腔シャントの造設を行い,いずれの症例においても有用性が認められたため報告する.なお本シャント造設は当施設倫理委員会の承認を得て行われた.
 5症例とも,胎児胸水症が疑われて当科に紹介入院した.入院時の妊娠週数は妊娠27〜33週であった.5例中2例は,入院後胸水穿刺・除去が行われたが,すぐに再貯留が認められ,また胎児水腫も出現した.残りの3例は入院時にすでに全身浮腫と腹水が認められ,やはり胸水穿刺・除去が行われたが改善は見られなかった.このためいずれの症例においても,十分なインフォームド・コンセントが得られた後に,超音波誘導下に胎児胸腔―羊水腔シャントチューブの留置が行われた.施行週数は妊娠27〜33週であった.その結果,いずれの症例においても胎児水腫の所見は消失し,胸水も少量のみとなり,この状態が出生時まで持続した.児は妊娠32〜35週に出生し,生後いずれの児も乳糜胸と診断された.児は現在生後1カ月〜2歳10カ月(うち4例は外来管理中,1例は入院中)であるが,いずれの児においても胎児胸腔―羊水腔シャントによる障害は認められていない.
 胎児胸水症のうち,胎児水腫となった症例の予後は悪いことが知られており,そうした症例に胎児胸腔―羊水腔シャントは有用であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 181-181, 2002


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