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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
胎児・新生児(3)
臍帯仮性嚢胞は18-trisomyの超音波マーカーである:症例報告


小田切 幸平, 桑田 知之, 泉 章夫, 渡辺 尚, 島田 和彦, 角田 哲男, 松原 茂樹, 佐藤 郁夫
自治医科大学産婦人科


 臍帯嚢胞(仮性嚢胞)は稀な異常であるが,超音波断層法により診断可能な疾患である.近年,染色体異常児ことに18-trisomy児の臍帯に仮性嚢胞が高率に認められるとの報告が散見される.今回,超音波断層法を用いて臍帯嚢胞(仮性嚢胞)を2ヶ発見し,18-trisomyを疑い,羊水染色体分析にて18-trisomyを確診した症例を経験した.【症例】19歳初妊婦,自然妊娠.近医にて羊水過多,心形態異常を指摘され,妊娠28週に当科紹介入院.2D及び3D超音波断層法にて精査したところ,臍帯に2cm径の嚢胞を2ヶ認めた.嚢胞は血流を持たず,臍帯のフリーループ上に存在していた.羊水過多,胎児発育遅延,右胸心,ECD,小顎症などの異常所見も認め,これらから18-trisomyを強く疑った.妊娠28週羊水染色体分析を行い,18-trisomyと確定診断した.児は妊娠31週3日経膣分娩.946g,男児.出生2時間後,死亡した.【考察】臍帯嚢胞には胎生期の遺残物より発生する真性嚢胞と,臍帯のdegenerationによって生じる仮性嚢胞がある.仮性嚢胞は染色体異常児に高率に認められ,複数個存在する場合,ほぼ全例が18-trisomyであるとの報告がある.本症例においても2ヶの仮性嚢胞を認め,他の形態異常とも併せて18-trisomyを強く疑い,羊水分析にてこれを確定した.臍帯嚢胞が存在する症例では常に染色体異常を念頭に置き,嚢胞の数や他の形態異常に注意して診断を行う必要があると考えられた.臍帯嚢胞は18-trisomyの超音波マーカーになり得る.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 183-183, 2002


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