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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
胎児・新生児(4)
二次元超音波断層像で胎児骨格形成異常が疑われ,三次元超音波で侏儒症を早期診断し得た一例


松井 尚彦1), 竹内 久彌2), 長岡 美樹1), 澤 加奈子1), 大島 重雄1), 市川 秀志1), 上里 忠司1), 上里 忠彦3), 藤田 壽太郎1)
愛和会 愛和病院産婦人科1), 山王病院産婦人科2), 愛和会愛和クリニック産婦人科3)


 最終月経より妊娠12週の経腟超音波断層像で胎児項部から後頭部への著明な皮下浮腫が認められたため,以後継続的な観察を行なったところ,妊娠15週の経腹超音波断層像で胎児骨格形成異常を認め,妊娠16週で侏儒症が最も疑われ,妊娠17週の経腹三次元超音波で侏儒症をほぼ確診する事が出来た一例を経験したので,その画像診断の経過を報告する.本症例は,胎児奇形発生に関するリスクを認めない一回経産婦である.妊娠12週の産科外来診察時,経腟超音波断層像で,中隔様構造を持つ厚さ11mmの項部皮下浮腫が認められた.それ以外の形態異常は認められなかったが,リンパ管腫・胎児水腫との鑑別及び,項部皮下浮腫が他の胎児奇形の前駆的異常でありえるとの報告が見られるため,高画質の超音波断層法装置を用いた以後週一回の慎重な観察がなされた.腔水症発生もなく,リンパ管腫・胎児水腫を否定できたが,妊娠15週の経腹超音波断層像で,脊柱骨化像不明瞭,四肢長管骨発育不良,下肢の位置異常等の骨格系異常が初めて認められた.妊娠16週では肋骨形成異常も疑われ,四肢長管骨長が標準の二分の一程度で,下肢は内弯・交叉し,内反足様に見えた.以上の二次元超音波断層像所見から侏儒症が最も疑われた.さらに,妊娠17週の胎児三次元表面表示画像で,頭部に比べ短い躯幹,太く短めの四肢,特に内弯し交叉して内反足となった下肢が鮮明に描出され,低位耳介も見られ,侏儒症の一型であると診断できた.希望中絶により得られた児の外観と比較して,現在の三次元超音波は,胎児の骨格系奇形の描出能力に優れていることが判明した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 184-184, 2002


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