|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
妊娠・その他 胎児娩出後のルーチンのマレイン酸メチルエルゴメトリン投与は必要かいなかの検討
松田 武徳, 北原 賢二, 茂木 弘道
前橋協立病院産婦人科
【目的】わが国では,弛緩出血予防のため,胎児娩出後のマレイン酸メチルエルゴメトリン(以下,MME)静注が広く行われている.しかし,MMEには心筋梗塞などの重篤な副作用もあり,こうしたルーチンの使用に妥当性があるか検討した.【方法】平成11年6月1日より,ルーチンのMME使用を止め,胎児娩出後の子宮出血に対しては,まず輪状マッサージ,次にオキシトシンまたはPGF2α点滴静注,最後にMME静注というプロトコールをつくり対応した.除外条件に当てはまらない一連の50症例(未使用群)を分娩記録より抽出した.検討1:未使用群とルーチンに使用していた平成10年同時期の一連の50症例(使用群)と比較した.検討2:未使用群の中で,出血量200g以下の少量群と出血量500g以上の大量群を比較した.【成績】検討1:未使用群で339.8±252.3g,使用群で200.8±96.9gと統計学的に有意差(p<0.005)が認められた.検討2:大量群で器械分娩が多かったが,それ以外の項目について少量群と有意差はなかった.【結論】MMEは有意に胎児娩出後の子宮出血を減少される.ルーチンの使用は副作用の面から避けるべきだが,器械分娩症例や最初から出血量が多い症例では,MME使用はやむを得ない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
236-236, 2002
|