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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
妊娠合併症(自己免疫疾患・その他)
成人Still病合併双胎妊娠で妊娠経過中肝機能の悪化を認めた症例


金 順煕, 高橋 慎治, 平田 美佐子, 坂本 秀一, 麻生 武志
東京医科歯科大学産婦人科


 Still病は小児の発熱,皮疹,関節症状を主体とする若年性関節リウマチの全身型に命名されたものだが,その成人発症型を成人Still病という.今回私達は成人Still病を合併した双胎妊娠で妊娠経過中肝機能の悪化を認めた症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は29歳0経妊,27歳時に38℃台の発熱,頚部リンパ節腫脹,両手関節痛,両膝関節発赤腫脹を発症し,症状と検査所見から成人型Still病と診断された.ステロイドハーフパルス療法後より,肝酵素上昇とフェリチン値上昇を認めたが,ステロイド継続していたところ徐々に肝酵素,フェリチン値ともに正常化し,Still病症状再燃も認められなかった.2001年6月22日を最終月経として自然妊娠成立(プレドニン10mg/日内服中)し,双胎妊娠と診断された.妊娠15週6日切迫流産の診断で塩酸リドトリン,硫酸マグネシウム点滴にて管理されていたが18週6日より発熱,19週3日より感冒症状と肝酵素上昇を認めた.プレドニン増量したが肝酵素の上昇が続き,フェリチン値の上昇も認めた.妊娠24週3日には妊娠が肝機能悪化の原因になっている可能性があり,これ以上の妊娠継続は劇症化の危険があると判断されたため,24週4日に緊急帝王切開が施行された.1児618g女児,アプガールスコア1分後4点,5分後8点,2児628g女児,アプガールスコア1分後5点,5分後8点であり,いずれの児にも奇形は認められなかった.分娩後母体の肝機能は改善し,フェリチン値も低下した.成人Still病は,寛解状態にあっても妊娠を契機に再燃する可能性があり,慎重な産科管理が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 238-238, 2002


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