|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
妊娠合併症(自己免疫疾患・その他) MCTD合併妊娠6症例11妊娠の妊娠の検討
楯 浩行, 児島 梨江子, 井原 規公, 山口 隆, 中村 光佐子, 山城 千城, 三島 みさ子, 古屋 智, 横尾 郁子, 伊豆田 誠人, 加藤 賢朗
虎の門病院産婦人科
MCTDはSLE,PSS,DMの臨床症状が部分的に重複し,抗RNP抗体陽性を示す膠原病である.MCTD合併妊娠においては流早産率が高いといわれている.今回我々は,MCTD合併妊娠を過去17年間において6症例11妊娠経験したので報告する.【症例】MCTD発症年令;16〜38(中央値23)妊娠時の年令:21〜41(中央値31)であった.転帰は,母体適応にての妊娠中絶1例,稽留流産2例,死産2例(20週,29週),生産5例(すべて早産),現在観察中の1例(34週)であった.妊娠中におきた合併症として,生産症例では肝機能異常1例,IUGR4例,妊娠中毒症2例,凝固異常1例がみられた.流死産症例では肝機能異常2例,くも膜下出血1例,preDIC1例,胞状奇胎1例がみられた.妊娠時の治療として,生産症例では,無治療1例,アスピリン投与1例,PSL20mg隔日2例,アスピリンとPSL20mg隔日併用2例である.流死産症例ではPSL30mg隔日以上の症例が 4例,PSL20mg隔日が1例であった.生産症例では妊娠中にアスピリン,ステロイド,ヘパリン,血漿交換,免疫吸着を積極的に用いた例が多かった.また分娩症例では,多くの症例でIUGR(6/8),胎盤梗塞(3/5)の所見がみられた.【まとめ】MCTD合併妊娠において,妊娠時の病態の活動性が妊娠の転帰に関与し,妊娠中の積極的な治療が,妊娠予後の改善に結びつくものと考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
239-239, 2002
|