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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
妊娠合併症(感染症)
妊娠36週で発症し,母体を救命した劇症型A群溶血性レンサ球菌感染症の一例


中里 泉1), 橋本 玲子1), 鈴木 典子1), 百村 麻衣1), 近藤 憲一1), 尾崎 恒男1), 酒井 啓治1), 土屋 清志1), 高橋 康一2), 岩下 光利1), 中村 幸雄1)
杏林大学産婦人科1), 杏林大学保健学部2)


 妊娠中の劇症型A群溶血性レンサ球菌感染症は急激な経過からショック,多臓器障害に陥り,母体死亡率および胎児死亡率の高い疾患である.今回,当院において妊娠中に劇症型A群溶血性レンサ球菌感染症を発症し,Toxic shock-like syndrome(TSLS)を来したが母体を救命した症例を経験したので報告する.【症例】24歳,0経妊0経産.【家族歴・既往歴】特記事項なし.【現病歴】平成13年6月を最終月経として自然妊娠.4日前より上気道感染を先行し,妊娠36週5日の朝より40度の発熱を認め,前医を受診する.下腹部痛,性器出血,子宮内胎児死亡を認め,常位胎盤早期剥離を疑い当院へ緊急母体搬送された.搬送後緊急帝王切開術を施行し,2530gの男児を死産した.母体は術後収縮期血圧58mmHg,脈拍148回/分のショック状態となった.無尿状態となり,クレアチニン3.5mg/dlまで上昇し腎不全となった.術中より出血傾向を認め,血小板0.5万/mm3 産科DICスコアは26点であった.肝障害はGOT428IU/l GPT101IU/l 総ビリルビン値7.6mg/dlで術後肝不全を来した.血液ガス検査において,FiO2100%下でPO2:68.5mmHg PCO2:37.2 mmHgと呼吸障害が生じた.また胸部レントゲン上びまん性両側性の肺胞浸潤像認め成人性呼吸窮迫症候群と診断された.上肢,下肢,会陰部を中心に水泡を形成する発赤疹を認め,経過中落屑を伴った.入院時の血液,胎盤,膣分泌物培養からA群レンサ球菌(T1M1型)を検出し,劇症型A群溶血性レンサ球菌感染による敗血症と診断した.抗ショック療法,免疫グロブリン療法,抗DIC療法を行いつつ人工呼吸管理,血漿交換,抗生剤併用療法,持続透析を行った.現在,本症例は自宅にてリハビリ中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 240-240, 2002


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