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<< 学会誌へ戻る AT-III低下症は血栓形成傾向を示し，本症合併妊娠症例は過凝固状態を背景とする深部静脈血栓症や肺塞栓症といった血液疾患としての合併症のみならず，流産，妊娠中毒症，子宮内胎児発育遅延などの産科的合併症を引き起こすため，妊娠および産褥期に厳重な管理を必要とすることが知られている．当科では先天性AT-III低下症3症例，後天性AT-III低下症1症例，計4症例，計5件の本症合併妊娠の管理を経験した．初回妊娠で先天性AT-III低下症と診断され現在管理中の1例以外の先天性2症例は，重症妊娠中毒症などの何らかの産科既往歴を有していたが，妊娠初期または中期から積極的にAT-III補充療法及び抗凝固療法を施行することで2症例とも生児を得ることが出来た．後天性の症例は初回妊娠時に深部静脈血栓症によるAT-III低下症を発症し，AT-III補充療法を施行しながら生児を得たが，2回目の妊娠時にも深部静脈血栓症の再燃を認めた．しかし，厳重な管理により無事に分娩に至った．現在管理中の症例も順調に経過している．AT-III低下症合併妊娠の管理方針について文献的考察を加え報告する予定である． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 247-247, 2002 |
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