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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
妊娠合併症(凝固異常) HELLP症候群の診断と予知の重要性を知らしめた2例
菊池 信正, 小澤 克典, 戸松 邦也
館林厚生病院産婦人科
HELLP症候群の予後を改善するには早期診断が重要であり,特に妊娠中毒症を管理する際に本症候群を念頭に置く事が必要である.今回我々は,HELLP症候群の診断と予知の重要性を知らしめた2症例を経験したので報告する.症例1は35歳, 2回経妊1回経産.近医で妊婦健診を受け, 妊娠37週4日血圧159/103,尿蛋白(2+),浮腫(3+).妊娠中毒症の悪化のため誘発目的にて入院.出産直後より弛緩出血1420mlあり.尿カテーテルを挿入した際に暗赤色の血尿が認められたため当院へ緊急転院となった.当院入院後,Labo Data上にてPlt 3.7万,GOT 610 U/L,GPT 192 U/L,LDH 1967 U/L,TB 8.3 mg/dl,BUN 21.8 mg/dl,Cr 1.51 mg/dl,AT-III 64.7%,D-Dダイマー76.1μg,FDP 53.3μgと血小板減少,肝トランスアミナーゼの上昇,腎機能低下を認め抗DIC治療をすぐに開始した.症例2は26歳,2回経妊0回経産.双胎にて妊娠35週4日血圧144/80 mmHg,尿蛋白(2+),浮腫(1+)が出現.妊娠中毒症の管理入院するも入院後凝固系(AT-III)の低下あり緊急帝王切開を施行.術後より血小板減少Plt 2.5万,肝トランスアミナーゼGOT 413 U/L,GPT 284 U/Lの上昇を認めHELLP症候群と診断し抗DIC治療をすぐに開始した.2症例をRetrospectiveに検討し,HELLP症候群の診断,予知ならび妊娠管理の問題点を検討したので報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
251-251, 2002
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