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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
妊娠合併症(凝固異常) 原因不明の反復IUFDの既往に対し,FDP-DDの値を指標として妊娠管理し,無事生児を得た1症例
山中 智哉1), 深田 幸仁1), 星 和彦2)
国立甲府病院産婦人科1), 山梨大学産婦人科2)
25歳,2経妊2経産.第1子は2000年3月9日,妊娠38週にIUFD.第2子は2001年1月3日,妊娠35週にIUFDとなり,分娩誘発中,常位胎盤早期剥離を発症し,緊急帝王切開となった.両妊娠経過中,IUFDとなる明らかな原因は不明であった.今回の妊娠は,クロミッドとパーロデルを内服し,2001年9月28日を最終月経初日として妊娠成立した.既往妊娠経過から,妊娠初期より2週間毎に外来で経過観察した.IUFDの発症時期が,2度目の妊娠時には1度目の時より3週間早まっていることから,妊娠26週からは管理入院とした.妊娠前のIUFD原因の精査では異常はなかったが,2002年2月27日(妊娠21週3日)の血液凝固能検査で,FDP-DDが3.3μg/mlと上昇を認めたため,FDP-DDを定期的に測定した.FDP-DDは徐々に上昇を認め,5月7日(妊娠31週2日)には12.5μg/mlまで上昇.また妊娠30週頃より羊水の減少を認め,31週にはAFI4.2cm,NST上も時にmild variable decelerationが認められたため,翌5月8日(妊娠32週3日),緊急帝王切開を施行した.児は1740g,男児,アプガースコア1分後8点,5分後9点.出生後,ただちに当院NICUにて管理となった.胎盤は550g,肉眼的に異常なく,また病理検査においても血栓,梗塞巣等の異常は認められなかった.産後の経過は異常なく,産褥8日目に退院した.FDP-DDは徐々に低下し,6月6日には陰性となった.児も異常なく,順調に発育をしている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
252-252, 2002
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