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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
妊娠合併症(心疾患) 急性心筋梗塞合併妊娠の一例
土井 めぐみ, 五十嵐 豪, 堀永 宏史, 平井 邦彦, 代田 琢彦, 斎藤 寿一郎, 三室 卓久, 萩庭 一元, 大塚 博光, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科
妊娠中の心筋梗塞の発症率は1/10,000と言われており,発症時にその20%が死亡し,発症2週以内に分娩に至った症例では50%が死に至ると言われており,高リスクな疾患である.今回我々は妊娠31週で急性心筋梗塞を発症し,34週で生児を得ることのできた一例を経験したので報告する.【症例】41歳,2経妊1経産【既往歴】特記すべき事無し【経過】妊娠31週まで近医にて妊婦健診を受けていた.平成13年5月6日(妊娠31週2日),10時頃に胸痛発作発現,症状が持続するため近医受診,心電図上QS pattern(V1〜V4)を示したが,症状軽減していたため帰宅.翌日,症状は消失していたが,心電図上QS pattern(V1〜V4),V5 poor Rを示し,血液検査所見でWBC 8000,AST 356,LDH 1961,CK 2090より急性心筋梗塞を疑い,5月8日(妊娠31週4日),当院受診となった.心電図はQS pattern(V1〜V4),異常Q波(I,aVL)であったが,胸部X-P,心臓超音波検査で著明な心不全兆候を認めなかったため,循環器内科にて厳重管理とした.5月28日(妊娠34週3日)にスワンガンツカテーテルを挿入した後,硬膜外麻酔下で帝王切開術を施行した.児は2160g,女児,Apgar score10/10,臍帯動脈血 pH 7.374であった.術後,心不全兆候を認めなかったが,心臓カテーテル検査にて一部冠動脈の狭窄を認めた.現在,当院内科で経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
253-253, 2002
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