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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1
子宮内膜症の経過観察中に明細胞癌と診断した一例


釘宮 剛城, 平野 孝幸, 渡辺 衣里, 加藤 佳代, 鈴木 純子, 小林 信一, 前田 光士
都立荏原病院産婦人科


 チョコレート嚢胞は子宮内膜症の代表的な病態であり,Gn-RH製剤の普及により保存的に長期間経過観察されている症例も多い.近年,子宮内膜症症例の増加に伴い,チョコレート嚢胞の癌化への注意が喚起されるようになった.今回,我々は子宮内膜症の経過観察中に明細胞癌と診断した一例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する.症例は,27歳の未婚の女性.平成10年に貧血症状を主訴に当院受診し,チョコレート嚢胞の診断にて腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術を施行した.術後は6ヶ月間Gn-RH製剤にて加療を行なった.平成12年末より卵巣腫瘍が再発し,増大傾向を認めたため平成13年,開腹にて卵巣腫瘍摘出術を施行した.病理組織診の結果は明細胞癌であった.その後,本症例は再開腹術を施行し,化学療法にて現在も外来管理中である.チョコレート嚢胞から発生する卵巣癌には,腫瘍マーカーの上昇の少ない明細胞癌が比較的多いことより,定期的な経腟超音波断層法検査やMRIやCTなどの画像検査の必要性を再確認した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 256-256, 2002


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