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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1 卵巣明細胞癌におけるHercepTestを用いたHER-2/neu過剰発現の検討
深澤 宏子, 岩本 豪紀, 本多 つよし, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨大学産婦人科
【目的】卵巣明細胞癌は,種々の抗癌剤に強い抵抗性を有するため,効果的な抗癌化学療法が存在しないのが実状である.一方,本邦において,HER-2/neuを過剰発現している転移性乳癌に対しトラスツズマブ(ハーセプチン)の使用が認可され,高い治療効果が報告されている.今回我々は卵巣明細胞癌に対しハーセプチン使用の可能性を検討する目的で,その使用判定基準であるHercepTestを施行し,HER-2/neuの過剰発現の頻度を検討したので報告する.【方法】当院で経験し,インフォームドコンセントの得られた卵巣明細胞癌症例16例の手術摘出検体に対し,ダコHercepTestによる免疫染色法を用い,HER-2/neuの発現程度を半定量的に解析した.HER-2/neuの過剰発現の有無は乳癌における判定基準に準拠し判定した.【成績】卵巣明細胞癌におけるHercepTestの結果,発現スコア3+:1例,1+:10例,0:5例であり,HER-2/neuの過剰発現が認められたのは,16例中1例(6.3%)であった.発現スコア3+であった1例の国際進行期分類はstage Ia(FIGO1988)であった.【結論】今回検討した卵巣明細胞癌16例において,HercepTestを用いたHER-2/neu過剰発現の検討の結果,HER-2/neu過剰発現が認められたのは1例のみ(6.3%)と低率であった.しかしながら,卵巣明細胞癌例でHER-2/neuの過剰発現が認められる場合には,ハーセプチンにより治療効果が得られる可能性があると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
257-257, 2002
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