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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍2 Protein C欠損症による深部静脈血栓症,肺塞栓を合併した卵巣癌の一例
末永 昭彦, 河村 隆一, 高橋 幸子, 林 直樹, 馬場 一憲, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
【目的】Protein C欠損症は,約2000人に一人の頻度で存在する.今回,両側深部大腿静脈血栓から肺塞栓を併発,同時に卵巣癌が発見され,術前〜術後の管理に苦慮した症例を経験したので報告する.【症例】34歳,0経妊0経産【家族歴】祖母,父:脳梗塞【現病歴】平成13年11月歩行後の右腓腹筋痛で近医受診.血栓性静脈炎疑いで経過観察するも平成14年1月左下肢痛出現し,当院血管外科4月10日紹介受診.Protein C欠損症(Protein C:41%)による深部静脈血栓症,肺塞栓の診断で抗凝固療法を開始した.CTにて卵巣腫瘍が疑われ当科紹介となり精査,加療目的で入院となった.【入院後経過】肺血流換気シンチで多発性肺塞栓を認め,術前管理としてワーファリンをヘパリンに変更,下大静脈内一時的血栓フィルターを設置し,術直前よりProtein C製剤(7500IU/日)に変更した.手術は左卵巣腫瘍のみ摘出の試験開腹.術後3日目,血栓は下大静脈フィルター内にまで連続し固着,Protein C製剤からヘパリン20000U/日,ウロキナーゼ48万/日(フィルター)持続投与へ変更した.永久フィルター交換後,抗癌剤化学療法施行し現在経過観察中である.【結語】血栓症例は家族性血栓傾向を念頭におく必要がある.Protein C欠損症の術前・術後管理につき考察する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
260-260, 2002
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