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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍2
Paclitaxel耐性卵巣癌に対しIrinotecan hydrochlorideが著効した一例


桃井 満礼, 野口 顕一, 勝又 木綿子, 田中 逸人, 塩川 滋達, 岩下 光利, 中村 幸雄
杏林大学産婦人科


 Paclitaxel(以下T)耐性卵巣癌に対し,Irinotecan hydrochloride(以下CPT-11)が著効した一例を経験したので報告する.症例は59歳,単純子宮全摘術,両側付属器切除,大網部分切除,リンパ節郭清術を施行し,Debulking 80%であった.pTNM分類にてpT3cN0M0,病理診断はendometrioid adenocarcinoma.化学療法は1st lineとしてT:180mg/m2とCarboplatin(以下J)AUC 6を4週間毎投与し6クール施行した.術前のCA125 3000U/mlは1クール終了後正常に復した.しかしTJ療法終了11ヶ月後,CA125は再び上昇を認め12カ月後のMRI所見では,ダグラス窩に腹水貯留,および多発性の結節性病変を認めたため再発と診断した.2nd lineとしてT:60mg/m2,J:AUC2によるweekly TJ療法(3週間連続投与,1週間休薬)を開始した.2クール施行後のCA125は正常に復し,計10クール施行した.10クール後のMRIも再発所見は消失していた.しかし投与終了9ヶ月後再びCA125は上昇し,MRI所見上ダグラス窩に腹水の貯留と多発性の結節性病変を認めたため,再発と診断した.そこで3rd lineとしてT:30mg/m2の週2回投与(5週間連続投与,2週間休薬)へと変更した.しかし開始からDay 114にてもCA125:140.2U/ml,MRI所見でも腹水貯留を認めたためT耐性再発卵巣癌と診断,4 th lineとしてCPT-11 50mg/m2,CDDP 60mg/m2を併用したweekly投与(2週連続投与,1週間休薬)へと変更した.3クール施行後CA125は正常に復し,計10クール施行した.以後外来管理としているが,現在の所再発徴候なく経過は良好である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 262-262, 2002


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