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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
卵巣・卵管悪性腫瘍
最近経験した卵管癌の4症例


中島 義之1), 櫻井 麻美子1), 古川 真希子1), 崎山 ゆかり1), 永井 宣久1), 佐藤 伊知朗1), 持木 昭人1), 池上 淳1), 大久保 喜彦1), 寺本 勝寛1), 山本 樹生2)
山梨県立中央病院産婦人科1), 日本大学産婦人科2)


【はじめに】卵管癌は,40−60歳に多く,女性性器の悪性新生物における頻度は0.5−0.3%と稀な腫瘍であり,卵巣癌などと術前鑑別診断が困難なことが多い.だが,その頻度は最近増加傾向にあるといわれている.今回我々は,進行性卵管癌の4症例を経験したので報告する.症例1は,3回経妊3回経産,下腹部腫瘤を自覚し来院.左付属器切除術,傍大動脈リンパ節生検施行し,術後診断卵管癌IIIc期であり,術後MTJ療法施行し退院となった.病理組織診断は漿液性乳頭状腺癌であった.症例2は,0回経妊0回経産,不正出血を伴う下腹部腫瘍のため紹介受診.両側卵管切除術施行,術後診断卵管癌IIIc期であり,術後MTJ療法施行し,単純子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤リンパ節郭清術,大網切除術施行し,さらにMTJ療法施行し退院となった.病理組織診断は分類不能腺癌であった.症例3は,0回経妊0回経産,子宮内膜細胞診class Vのため紹介受診.卵巣癌の診断にてMTJ療法施行後,手術可能と判断し単純子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤リンパ節郭清術,大網切除術施行し,術後診断卵管癌IIIc期であり,さらにMTJ療法施行し退院となった.病理組織診断は低分化型腺癌であった.症例4は,0回経妊0回経産,下腹部腫瘍のため紹介受診.既に,Virchow転移,腎門部リンパ節転移認めたため,MTJ療法施行後,手術可能と判断し単純子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤リンパ節郭清術,大網切除術施行した.術後腫瘍細胞は消失し,診断は卵管癌IV期であり,さらにMTJ療法施行し退院となった.【まとめ】4人とも外来経過観察中であるが,現在のところ再発は認めていない.進行性卵管癌に対するMTJ療法の有効性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 263-263, 2002


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