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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍1 特異な進展を呈した子宮頚部癌の一例
保母 順造, 加村 和男, 木村 正博, 大澤 洋之, 梶原 健, 石井 康徳, 本間 智一, 小川 博和, 岡垣 竜吾, 小林 浩一, 畑 俊夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科
子宮頸癌は子宮膣部扁平円柱上皮移行帯から発生し,膣腔内に向かって腫瘤を形成し表面はしばしば乳頭様を呈し内診にて花菜状の腫瘤として視診されることが多い.しかし今回我々は視診上病変部を認めず,術前スメアでもクラスIであり,開腹して初めて子宮頸癌IVa期(膀胱内浸潤)と判明した症例を経験したので報告する.症例:33歳4経妊1経産 平成14年2月頃から下腹部痛,下腹部緊満感,頻尿を自覚し近医受診,下腹部腫瘤を指摘され当科紹介となった.子宮は小児頭大に腫大し,子宮筋腫と診断して腹式単純子宮全摘術となった.術中,子宮頸管前面より膀胱を剥離する際,膀胱子宮窩に硬結を認め,同部の結合織は脆弱化していた.前膣壁粘膜下には小判大の腫瘤を触知した.術中迅速病理診断は壊死像を伴う扁平上皮癌であった.また,術後膀胱鏡を施行し,膀胱粘膜内に癌浸潤を認め子宮頸癌IVa期の術後診断で放射線治療となった.子宮頸癌には内向発育型があり,さらに今回の症例の様に膣粘膜下を這うように発育し術前診断に苦慮する症例があるので注意が必要である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
268-268, 2002
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