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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍2 子宮頸癌リンパ節転移陽性例の予後因子の検討
田辺 麻美子, 佐藤 豊実, 山田 和美, 杉本 雅樹, 沖 明典, 市川 喜仁, 角田 肇, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科
1991年1月から2000年12月までに当科で広汎子宮全摘出術を施行した子宮頸癌Ib,II期症例のうち,骨盤リンパ節転移が陽性である50例(扁平上皮癌39例,その他[腺癌など]11例)について検討した.観察期間は2ヶ月から124ヶ月までで中央値は48.6ヶ月であった.44例では術後照射が,6例に対しては術後全身化学療法が施行されていた.再発例6例に外照射後全身化学療法が施行されていた.全体の5年生存率は63.2%だった.臨床的,病理学的予後因子として,年齢,腫瘍マーカー,合併症の有無,転移リンパ節個数,転移リンパ節部位,転移リンパ節部位数,子宮傍組織浸潤の有無,組織型などを検討した.転移リンパ節数1個の症例の5年生存率は74.5%,2個以上の症例では54.8%で,転移リンパ節数2個以上の方が予後不良な傾向を認めたがLogrank検定では,有意差は得られなかった.子宮傍組織浸潤陰性症例の5年生存率は63.7%,陽性症例では62.8%で差はなかった.その他の事項に関しても予後と関連して有意差を得たものはなかった.今回の検討では,予後因子のunivariate analysisで有意な因子が検出できなかった.これは症例数が50例と少ないことが最大の要因と考えられる.本研究発表時には1981〜1990の症例も含めた解析データを報告する予定である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
268-268, 2002
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