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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍2 子宮頸癌Ia症例に対する円錐切除術施行症例の検討
山本 泰弘, 寺内 文敏, 森竹 哲也, 清木 孝之, 植野 りえ, 豊岡 理恵子, 家村 邦太郎, 小倉 久男
東邦大学第2産婦人科
【目的】近年若年発症の子宮頸癌の増加により子宮機能温存を目的として,手術療法として子宮全摘ではなく円錐切除術を選択する場面がある.今回,子宮頸癌Ia期;microinvasive carcinomaに対して治療的円錐切除術施行した症例の経過について検討した.【方法】過去10年間に円錐切除術を施行した症例のうち,術後病理組織診にて子宮頸癌Iaと診断されたのち外来経過観察となった8症例を対象に検討した.【結果】症例の円錐切除術施行時の平均年齢は32.5歳(24歳〜47歳),円錐切除術施行からの追跡期間中央値は27ヶ月(10ヶ月〜69ヶ月)であった.円錐切除術は高周波電気メスを用い子宮膣部を切除,その後,断端を焼灼した.追跡期間5年以上は2症例である.組織型は,全症例ともsquamous cell carcinomaであり,7症例は脈管およびリンパ管浸潤は認めず腫瘍組織の十分な切除がなされていた.1症例は,切除断端陽性であったが十分なinformed consentのもとで経過観察となっている.経過観察は外来にて3ヶ月おきに子宮膣部細胞診を施行している.現在までの追跡において子宮膣部細胞診は全例class Iであり,再発は認めていない.【考察】子宮頸癌Ia期症例に対する円錐切除術の有効性が示唆された.しかし,術後の経過観察には切除断端の陽性・陰性を問わず定期的な子宮膣部細胞診が不可欠と考えられる.今後も追跡症例を増やし検討する必要があるだろう.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
269-269, 2002
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