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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍2
当院における子宮頚癌初期病変に対する光力学療法の報告


村上 裕介, 大井 豪一, 磯村 直美, 金森 隆志, 久保 愛子, 茂庭 将彦, 小林 浩, 小林 隆夫, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


【目的】子宮頚癌初期病変に対する光力学療法(PDT;Photodynamic therapy)は1979年Doughertyらが乳癌の皮膚転移に対してヘマトポルフィリン誘導体(HpD)とアルゴン・ダイ・レーザーを用いてPDTを始めて以来,欧米で数多くの研究がなされ,現在では肺癌,食道癌,胃癌,膀胱癌,初期の子宮頚癌などに臨床応用されている.当科では1998年よりPDTを導入し子宮頚癌0期からIa(i)期までを適応とし,12症例経験したのでその成績,問題点について報告する.【方法】当科における1998年1月より2002年6月までのCINIIIの患者のうちinformed consentが得られた12人に対してPDTを施行した.PDT施行2日前に腫瘍組織集積性,腫瘍親和性光感受性物質であるPhotofrinを2mg/kg静注しコルポスコピー下にエキシマダイレーザー照射装置にて100J/cm2のエネルギー密度照射した.【成績】PDTを施行したCINIII患者12人のうちCR11人(91.7%),PR1人(8.1%),NC0人(0%)であった.有害事象は2名に発生し顔面浮腫を伴う光過敏症(ステロイド軟膏塗布,ステロイド経口投与で治癒)と異型細胞の遺残(円錐切除にて治癒)であった.入院日数は平均32.3日であった.【結論】PDTは今後子宮頚癌初期病変に対する標準的治療となる可能性が示唆されたが,入院日数の短縮,治療費の軽減が今後の課題である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 270-270, 2002


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