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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮頚部悪性腫瘍2 子宮頚癌に対するconcurrent chemoradiationの安全性に関する検討
西村 俊信, 宮本 純孝, 鏡 一成, 塚越 俊夫
群馬県立がんセンター婦人科
目的:近年,子宮頚癌に対する治療法として,concurrent chemoradiationが放射線療法単独よりも治療効果が高いとの報告があいついでいる.今回我々は放射線療法にweekly投与のシスプラチンを併用して,その有害事象について検討した.方法:対象は2001年から2002年にかけて当院で子宮頚癌と診断されconcurrent chemoradiationが行われた60歳以下,PSは0−1の7症例で,平均年齢は50歳,進行期はIIIb期が6例,IVa期が1例,組織学的には扁平上皮癌が4例,腺癌が3例であった.放射線治療は外照射と腔内照射の組み合わせで行い,シスプラチンの投与方法は,40mg/m2(1例は28mg/m2)を放射線治療と同時に開始し,1週間毎に計6回行った.有害事象の判定はNCI-CTCで行った結果:全例シスプラチンを6コース投与でき,放射線治療も完遂できた.Grade 3以上の有害事象の出現については,白血球数で3例(43%),血色素数で1例(14%),嘔吐,嘔気,下痢,腎機能,肝機能に関してはGrade 3以上の有害事象の出現はなく,1例に治療終了後軽度の腸閉塞,1例に腎盂炎を発症した.Grade 3以上の白血球数の減少は,治療開始後平均39日で出現しており,いずれもG-CSFの使用で改善した.下痢に関しては通常の放射線単独療法にくらべ軽度であった.結論:シスプラチン40mg/m2の週一回投与によるconcurrent chemoradiationは白血球数の低下が問題となるが,症例を選び,適切な対応で施行可能とおもわれる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
270-270, 2002
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