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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
外陰・膣・絨毛性疾患 抗癌剤動注療法が奏効した外陰扁平上皮癌IVa期の一例
和田 康菜1), 佐藤 聡二郎1), 奥津 由記1), 平野 喜美恵1), 大原 樹1), 大熊 克彰1), 近藤 春裕1), 小林 陽一1), 木口 一成1), 石塚 文平1), 五味 弘道2), 滝沢 謙治2)
聖マリアンナ医科大学産婦人科1), 同放射線科2)
外陰扁平上皮癌は50〜70歳台に好発し,女性性器癌の約2%を占める比較的稀な疾患である.手術適応でない進行症例では予後は極めて不良であり,有効な治療法の確立が望まれている.今回我々はneoadjuvantとしての抗癌剤動注療法が奏効した外陰扁平上皮癌IVa期の1例を経験したので報告する.【症例】54歳,1経妊1経産,閉経52歳.平成14年1月頃より外陰部腫瘤認め,次第に増大したため,4月16日当院皮膚科受診し,翌日当科紹介となった.視診上,陰核を中心とした3×7cm大の乳頭状の腫瘍を認め,一部自壊排膿し,周囲皮下の感染も伴っていた.子宮および卵巣は正常大,傍子宮結合織は軟であったが,両側鼠径リンパ節腫脹を認めた.外陰擦過細胞診クラスV,外陰腫瘍生検にて扁平上皮癌,腫瘍マーカーはSCC 1.8ng/mlと正常.以上より外陰扁平上皮癌IVa期と診断された.入院後血管造影検査にて両側内腸骨動脈分枝より病変部を選択的に造影しうる栄養血管を同定し得たため,両側内腸骨動脈にカテーテルを留置した.5月10日よりCDDP,bleomycin,5-FUによる動注を3コース施行し,著明な腫瘍の縮小を認め,両側鼠径リンパ節腫大もほぼ消失した.今後は手術療法を施行する予定であり,経過も含めて報告する予定である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
272-272, 2002
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