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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮筋腫 動脈塞栓術(UAE)による子宮筋腫の治療経験
今井 しづこ, 伊吹 友二, 鹿沼 達哉, 久保田 和子, 村田 知美, 青木 宏, 中村 和人, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科
【目的】:子宮筋腫に対するUAE療法の有用性および副作用について検討する.【方法】:平成13年および14年に,当院においてUAE療法を行った4症例について,腫瘍縮小率,臨床症状改善度,有害事象,予後について検討した.治療前臨床症状は,過多月経は3例,貧血のみは1例であった.【成績】:4症例の平均年齢は41歳(37歳から44歳),筋腫サイズは最大13cm,最小5cmである.筋腫存在部位は粘膜下,筋層内,漿膜下と多様,評価可能な筋腫個数は1個から3個であった.方法は両側子宮動脈よりGelfoamを注入,治療後疼痛にはペンタゾシン,ロキソプロフェンなどを使用した.治療後3ヶ月の筋腫縮小率は,0%から70%,6ヶ月後では0%から90%であった.臨床症状の改善は,程度の差はあるものの全例に認められ,患者さんの満足は得られている.傾向として,漿膜下筋腫の縮小効果は粘膜下筋腫や筋層内筋腫に比較して,低い傾向が認められた.有害事象症例は1例で,筋層内筋腫症例で施行後3週間後に壊死筋腫が筋腫分娩様に外子宮口より圧出され,感染と疼痛により1週間の入院および1ヶ月の外来通院治療が必要であった.【結論】:長期予後や重篤な副作用発現などについては今後さらに検討が必要であるが,臨床症状の改善効果は全例に認められ,GnRHa療法の禁忌である粘膜下筋腫症例や子宮摘出に抵抗がある女性に対する治療法に選択しても良い方法であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
276-276, 2002
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