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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他の腫瘍2
卵巣皮様嚢腫破裂からchemical peritonitisを呈し,肝膿瘍を生じた一例


松原 香弥, 難波 聡, 森田 豊, 藤原 敏博, 西井 修, 久具 宏司, 矢野 哲, 堤 治, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


 今回我々は卵巣皮様嚢腫破裂の診断にて開腹術を施行後,chemical peritonitisを呈し,遷延する弛張熱を伴う肝膿瘍を生じた一例を経験したので報告する.症例は25歳,0経妊0経産.平成元年(12歳時),左卵巣皮様嚢腫のため左卵巣摘出術の既往歴あり.平成13年12月,腹痛を主訴に近医受診.腸閉塞,腹膜炎の診断にて,外科で試験開腹が行われ,右卵巣皮様嚢腫破裂の診断を得た.左卵巣摘出の既往を考慮し,仮閉腹となり,翌日,近医産婦人科にて再開腹,右卵巣皮様嚢腫摘出術施行となった.脂肪,毛髪等の内容物が腹腔内骨盤内に広範囲に散在しており,腹腔内洗浄を試みるも,右卵巣や周囲臓器の強固な癒着のため,腫瘍内容物の全てを除去することは困難とのことだった.術後23日より,遷延する弛張熱を示し,術後47日目,腹部CTにて多発性肝膿瘍を認めた.術後60日目,当院に紹介受診,入院となる.約1ヶ月間の抗生剤による治療により,弛張熱は軽快し,肝膿瘍も縮小した.肝膿瘍は通常,胆管,門脈,肝動脈などからの細菌等の感染により生じることが多い.今回の症例は,皮様嚢腫摘出後に腫瘍内容物が腹腔内骨盤内に残存し,chemical peritonitisの発症後,直達性に肝膿瘍を生じたものと考えられた.皮様嚢腫破裂の症例では術中の徹底的な腹腔内骨盤内洗浄,内容物除去が重要であると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 282-282, 2002


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