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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他の腫瘍2
画像診断上悪性腫瘍との鑑別が問題となった比較的大きな頚管ポリープの一例


袖本 武男, 渡邊 理子, 星野 寛美, 斎藤 一夫, 草鹿砥 千絵, 関 博之
関東労災病院産婦人科


 子宮の頚管ポリープは我々婦人科医が日常極めてよく遭遇する疾患であるが,その殆どは2cm未満で,それより大きなものは比較的稀とされている.今回我々は径8.5cmという比較的大きな頚管ポリープの症例を経験した.症例は48歳,2回経妊2回経産,受診1年前より健診で貧血を指摘されていた.受診8カ月前頃より帯下の増加を認め,近医受診.子宮筋腫及び筋腫分娩の診断で当科紹介となった.平成14年2月13日当科初診.腟鏡診にて胡桃大で弾性軟の有茎性腫瘤が子宮口より下垂しているという所見が見られた.子宮は手拳大であった.超音波検査では有茎性腫瘤が子宮後壁に連続している像が見られ,内部に複数の低エコー領域を認めた.MRIにて多数の子宮筋腫の他,子宮頚部に接して隔壁を有する8.5×6.0×6.5cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.腫瘤の半分は腟内に突出しており,子宮頚部との境界が明瞭でないことから子宮頚部原発の腫瘤と考えられた.一部に充実性部分がありその部分は造影にて増強効果を認めた.画像診断上は悪性腫瘍の可能性も否定できないという所見であった.腫瘍マーカーではCA125 14IU/ml,CA19−9 30IU/mlいずれもcut off値以下であった.4月2日子宮全摘及び両側付属器切除施行.摘出標本では画像診断で見られたように子宮頚部の腫瘤は後壁の嚢胞性腫瘤と連続していた.組織病理所見ではナボット嚢胞や頚管腺の過形成を含む頚管ポリープで,悪性所見は見られなかった.症例の経過に文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 283-283, 2002


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