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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠・頚管妊娠 MTXによる保存的療法を試みた卵管間質部妊娠の2例
長谷川 晶子, 山崎 輝行, 波多野 久昭
飯田市立病院産婦人科
卵管間質部妊娠は,子宮外妊娠のなかでも約3%程で比較的稀な疾患である.当院で経験した卵管間質部妊娠2例に対してMTX使用による保存的療法を試みたので報告する.【症例1】28才,3G1P,平成5年1月14日からの月経以後,無月経であった.3月2日,持続する性器出血を主訴に当科受診.妊娠反応陽性だが,子宮内に胎嚢が確認されなかった.3月3日,性器出血が増加し受診.流産,または子宮外妊娠が疑われて入院となった.入院後,子宮内容除去術を施行するも絨毛組織は見られず,また,尿hCGは増加傾向を示した.子宮外妊娠を強く疑い,3月8日開腹術施行.左卵管間質部妊娠未破裂の状態であった.次回妊娠の安全性を考え,MTX局注,MTX全身投与2クールを施行した.尿hCGは漸減し,4月7日退院となった.【症例2】40才,1G1P,平成14年3月26日からの月経以後,無月経となった.5月16日前医を受診.妊娠反応陽性だが,子宮内膜正常.子宮のすぐ右側に胎嚢様エコー像を認めた.右間質部妊娠が疑われ,当科搬送となった.翌日,腹腔鏡にて観察してみると,右卵管角が腫大しており,右卵管間質部妊娠と診断された.MTX局注,MTX全身投与するも尿hCGは増加傾向を認めた.5月23日,開腹にて病巣部切除を行った.術後,尿hCGは漸減し,5月31日退院となった.文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
286-286, 2002
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