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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠・頚管妊娠 妊娠12週に子宮破裂に至り子宮摘出せざるを得なかった,IVF-ET後の双胎妊娠(一児間質部妊娠)の一例
中村 学, 高間 史子, 水竹 佐知子, 児玉 美央子, 宮坂 牧宏, 田口 宏中, 冨田 初男, 安藤 昭彦
大宮赤十字病院産婦人科
子宮内外同時妊娠の発生は,生殖補助技術(ART)を行えば約1〜2%と報告されている.ART後の子宮内外同時妊娠は多数報告されているが,間質部妊娠との子宮内外同時妊娠例の報告は少ない.今回我々はIVF-ET後に子宮内と間質部の内外同時妊娠を来たし,妊娠12週で間質部妊娠の破裂によりショックを起こし救命のため子宮を摘出せざるを得なかった症例を経験したので報告する.症例は38歳,未経妊.19歳で右卵巣嚢腫にて右附属器切徐されている.原発性不妊のため,他医院にてIVF-ETを施行し妊娠が成立した.その後近医院にて子宮内に胎嚢を2個認め双胎妊娠(2絨毛膜2羊膜性)の診断を受け,通院していた.妊娠12週1日,突然の下腹部痛が出現し,同医院受診.血圧80台と低下を認め,近医総合病院に搬送された.同病院にて,急激なショック状態に至り,血液検査ではHb 8.2g/dl,超音波検査,MRI検査にて子宮内に胎嚢は1個しか認められず,子宮内外同時妊娠の子宮外妊娠破裂の診断にて当院へ搬送された.当院到着時,意識は消失,末梢触知不能,Hb 4.9g/dl,Ht 15.1%,Plt 13.3万.当院救命救急医により,意識下挿管のうえ,濃厚赤血球輸血と輸液を施行しつつ,緊急開腹術を施行.開腹時,子宮右底部が4cmにわたり破裂.1児が腹腔内に脱出.破裂部位の切除のみでは止血確実困難と判断し,もう1児を子宮内に残存のまま子宮全摘術を施行.術中失血量は3670ml.術前術中の輸血は濃厚赤血球10単位,FFP 6単位.術後も挿管のままICUにて管理となり,濃厚赤血球,濃厚血小板,FFPの輸血を続けた.病理組織学的検査でも子宮内と間質部の内外同時妊娠での間質部妊娠の破裂と診断した.患者はその後回復に向かい退院した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
287-287, 2002
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