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<< 学会誌へ戻る 胎盤血腫は妊娠中にまれに認められ，大きなものになると子宮内胎児発育遅延（IUGR）や子宮内胎児死亡の原因ともなる．他の胎盤腫瘍との鑑別も必要となる．今回我々は，著明なIUGRを呈した胎盤血腫の1症例を経験したので，多少の文献的考察を加えて報告する．症例は20歳女性0経妊0経産で，妊娠22週までは他院にて妊婦健診を受けていた．18週頃から胎児の推定体重が停滞し，同時に胎盤の一様な腫大が認められるようになった．22週で当科初診時，母体には軽度貧血のほかには特に異常を認めず，凝固異常もなかった．胎児は著しいIUGRを示しており，ほぼ均一なエコー像を呈する腫大した胎盤によって子宮壁に圧排されていたが，胎児心拍は正常に認められた．羊水過少は認めなかった．エコー上，正常胎盤と腫大部分の境界判定は困難であった．確定診断と今後の方針決定のために入院とし，MRI検査を行ったところ，胎盤が卵膜内で明瞭なfluid levelを伴って正常胎盤と液体状の部分に分かれているのが認められた．正常胎盤部分は液体状の部分に比べて非常に少なかった．胎盤血腫の疑いが強いと考え，経過を観察していたところ，妊娠25週で死産分娩となった．児は276gの男児で，明らかな外表奇形を認めなかった．胎盤は，正常部分が島状に散在しており，大部分を占める血腫の間を血管が走行していた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 291-291, 2002 |
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