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<< 学会誌へ戻る 分娩後異常出血は，我が国の母体の周産期死亡のおよそ15％前後を占める．分娩後大量出血は，迅速な診断と効果的な治療により，重症化を回避できる．子宮内の胎盤や卵膜の遺残は産褥期の子宮出血をきたすが，多くの症例は掻爬によって軽快する．しかし，子宮内に遺残した胎盤組織に壊死とフィブリン沈着がおこると，いわゆる胎盤ポリープとなって長期間にわたる性器出血の原因になる．我々は，分娩直後から出血をくり返したが，出血原因の診断が困難で，分娩後1ヶ月以上を経過した後病理所見にて原因が確定した胎盤ポリープの2症例を報告する．症例1．19才1経産．他院にて吸引分娩後少量の性器出血が持続していたが，経過観察されていた．分娩50日目に性器出血の増加があり，膣鏡診にて粘膜下筋腫様の腫瘤を子宮口に認め筋腫分娩の疑いにて当院へ搬送された．手術室にて腰椎麻酔下にて腫瘤を胎盤鉗子で2個容易に除去した．子宮腔内にヨードホルムガーゼをパッキングし，症状が改善したため8日後に退院した．術後病理所見では，筋腫では無く胎盤ポリープであった．症例2．33才2経産．他院にて経膣分娩後弛緩出血が持続し，救急車にて当院に搬送された．子宮腔内にヨードホルムガーゼをパッキングし，症状が改善したため10日後に退院した．1ヶ月後，性器出血にて救急外来を受診した．出血のコントロールが不良のため翌日腹式単純子宮全摘出手術を施行した．術後病理所見にて子宮後壁に45×20mm大の胎盤ポリープを認めた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 292-292, 2002 |
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