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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他1
術前に診断し得た非産褥性子宮内反症の1症例


河野 照子1), 笠井 剛2), 藤江 道子2), 鈴木 真梨子2), 薬袋 牧子2), 平田 修司2), 星 和彦2)
国立甲府病院産婦人科1), 山梨大学産婦人科2)


 非産褥性子宮内反症は稀な疾患である.ほとんどは子宮筋腫などの腫瘍性病変を基に発生するが,20%は悪性新生物であると言われる.今回我々は術前に診断し得た,子宮腺筋症に合併した子宮内反症を経験したので報告する.【症例】患者は35歳,5回経妊2回経産.月経困難症,過多月経にて近医受診.子宮内腔に突出する子宮腺筋症及び直径約2cmの多発性筋層内子宮筋腫が認められ,子宮は手拳大に腫大しており,手術を勧められていた.かつて,子宮底部に直径3cmほどの嚢胞性子宮腺筋症が認められたが,経過を観察しているうちに消失したということがあった.平成14年4月,過多月経に伴う強い下腹痛のため当科外来を受診した.内診すると,子宮口は5cmに開大し,膣内は凝血塊様腫瘤で充たされ,摘除不可能であった.子宮体部は縮小していた.筋腫分娩及び子宮内反症を念頭に置きMRIを撮影したところ,子宮体部の膣内への陥入像を認め,その部分に子宮筋腫像を認めなかったことから子宮内反症と診断し,緊急に腹式単純子宮全摘術を施行した.開腹所見では,左卵管角の膣内への嵌入を認めた.病理組織学的には子宮体部筋層に直径約2cmの子宮筋腫が多発しており,内反部位は7×5×5cmの子宮腺筋症の所見であった.今回子宮内反症が発生したメカニズムとしては,子宮腺筋症の子宮内腔に突出した部分が先進部となったこと,嚢胞性子宮腺筋症の既往があり,その部分の近隣が内反したことから,嚢胞性子宮腺筋症が子宮筋層の軟化をもたらし,内反症を発生しやすくした可能性が考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 297-297, 2002


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