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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他1
周囲臓器に強固癒着を呈した膣内ペッサリー長期留置の2例


田口 雄史, 野島 美智夫, 牧野 真太郎, 武者 由佳, 杉村 彩子, 幡 優子, 伊藤 茂, 久保田 武美
順天堂大学浦安病院産婦人科


 骨盤内臓器脱に対する膣内ペッサリー留置は比較的簡便で有効性の高い治療の一つであるが,時に周囲への癒着を起こすこともある.今回我々はペッサリーの留置中に強固な癒着を呈し手術的治療を要した2症例を経験した.【症例1】76才4経妊3経産.10年前に近医で子宮脱の診断を受けペッサリー留置.最初の4年間は定期的に受診していたが,転居を機に通院しなくなっていた.平成14年2月,ペッサリーの脱出と疼痛を認め,当院受診.診察上,手拳大の腫瘍と一塊となったペッサリーの膣からの脱出を認めた.直腸診,超音波検査では骨盤内臓器とペッサリーの位置関係は明確では無かったため,MRIでそれらを確認後,ペッサリー除去術と性器脱根治術を施行した.【症例2】53才2経妊2経産.子宮脱,膀胱脱の診断で平成12年2月,膣式根治術を施行した.平成12年10月,再度,膀胱脱症状出現しペッサリーを留置した.留置1ヶ月の診察後は外来受診しなかった.平成14年3月,帯下異常で来院.診察上ペッサリーの前後膣壁への埋没と,膿状帯下を認めた.直腸診では直腸粘膜は正常であったが,粘膜下にペッサリーが触知された.抗生剤と膣内洗浄で局所の感染を治療し,MRIで直腸,膀胱とペッサリーの関係を確認後,ペッサリー除去術を施行した.今回の症例よりペッサリー留置時には定期的な管理の必要性が再確認された.また,膣内ペッサリーの膣内強固癒着例では周囲臓器とペッサリーの位置関係の把握にMRIが有用であることが確認された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 298-298, 2002


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