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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
胎児・新生児1
胎児治療が奏効した胎児乳び胸の一例


苅谷 卓昭1), 野坂 啓介1), 会澤 芳樹1), 五十嵐 雄一1), 鈴木 廉三朗1), 飯田 智博1), 竹内 久清1), 林 和彦1), 石塚 文平2)
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2)


 先天性胎児乳び胸は従来治療が困難な疾患であったが,出生前診断技術の向上と胎児期の外科的治療が行われ治療効果が期待できるようになった.我々は妊娠27週で胎児乳び胸と出生前診断し,患者と家族に説明し同意を得たうえで胎児治療としてシャント術を試み,結果として非常に良好な結果が得られた症例を経験した.症例は26歳,G0P0,妊娠27週の妊婦健診で腹囲増大を認め,胎児超音波検査で胸腔内echo free space,胎児腹水,羊水過多,臍帯動脈血流途絶より胎児ジストレスと診断し,胎児胸腔穿刺を行い胎児胸水所見から胎児乳び胸と確定診断した.穿刺後の胎児超音波検査では胎児臍帯動脈血流は改善したものの,胸水貯留は変わらず胎児肺低形成が推定されたため,頻回の羊水穿刺とともに,14Gガイド針で胎児胸腔へアプローチしdouble bascketカテーテル(八光)で胎児胸腔−羊膜腔シャント術を行った.初回の施術では効果がみられず再施行したところ偶発的にカテーテルが胎児横隔膜を貫き先進部が胎児腹腔内に到達,結果として胎児胸腔−腹腔シャントとなり胎児胸水が減少し治療が奏効した.子宮収縮抑制が困難となり妊娠31週で前期破水し,骨盤位(足位)のため帝王切開分娩とした.児は女児で2092gの低出生体重児,Apgar scoreは1分後2点5分後3点の新生児仮死で気管内挿管されNICU入院となった.胸水貯留のため持続胸腔ドレナージ,さらに人工肺サーファクタントの投与などを経て経過良好に推移した.シャント術に用いたカテーテルのうち胎児胸腔−腹腔に達した1本は日齢28に透視下で胸部小切開し抜去した.胎児治療には倫理的な面も含めて問題があり,本病態と合わせて考察し報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 302-302, 2002


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