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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
胎児・新生児2
総排泄腔症8例の出生前超音波所見の検討


瀬戸山 琢也, 青山 美加, 橋本 栄, 浅見 政俊, 平吹 知雄, 山中 美智子
神奈川県立こども医療センタ−周産期医療部産科


【目的,方法】総排泄腔症の出生前超音波所見には胎児骨盤内嚢胞性腫瘤像や尿路系の異常像などがある.今回当科で分娩した総排泄腔症8症例の出生前超音波所見の特徴を後方視的に検討した.【成績】全例女児で,異常所見に気づかれた週数は妊娠13週から32週であった.全例骨盤内に嚢胞性腫瘤があり,膀胱の拡大像と思われる単房性を示した例が2例,多房性を呈した例が6例であった.単房性嚢胞周辺には拡張した尿管象が観察され,嚢胞には膀胱特有の周期性容積変化がなかった.多房性嚢胞の6例では膀胱と思われる嚢胞と,その後方に隔壁で分割された左右対称の嚢胞があり,拡張した膣または子宮と考えられた.経過中嚢胞の形や個数に変化をきたす症例も6例あり,尿路の通過性の変動に伴う総排泄腔の二次的な変化と思われた.8例中7例に水腎症や腎盂拡大を認め,出生児でもほぼ全例に腎の形態変化を認めた.胎児腹水の症例は4例あり,2例は一回の腹水穿刺で消失し,2例は自然消失した.羊水量は当初はほぼ全例正常であったが,妊娠経過中羊水過少傾向を来す例が4例あり,腎盂や嚢胞の拡大と共に減少する例も認めた.総排泄腔症以外の合併奇形は2例に認め,1例はVACTERL連合,1例はamniotic band syndromeと考えられる多発奇形であった.【結論】双角子宮や膣中隔を伴う水腟症などにより多彩な胎児骨盤内嚢胞像を認める総排泄腔症では,嚢胞の数や形態が経時的に変化する症例が多く,腹水の出現や羊水量の変化を来す例も認めた.腎臓の形態変化も診断の一助となった.4分の1の症例に合併奇形を認め,胎児の他部位の検索も重要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 305-305, 2002


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