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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症
当科における過去7年間の子宮筋腫発生部位の検討


宮部 勇樹, 磯村 直美, 金森 隆志, 久保 愛子, 水主川 純, 大井 豪一, 茂庭 將彦, 小林 浩, 小林 隆夫, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


【目的】子宮筋腫発生部位には差があることが予想されるが,具体的に詳細に研究した報告はない.また現在のところ,子宮筋腫の発生,増殖機構を一元的に説明するのは困難であると思われる.しかし,子宮筋腫発生部位の差を明らかにすることにより,子宮筋腫の発生,増殖機構の解明の一助になり得る可能性がある.今回我々は,当科における手術例を参考に子宮筋腫発生部位の割合を検討した.
【方法】平成7年1月〜平成13年12月の当科における子宮筋腫手術例215例について,手術記録,MRI,超音波検査所見を用いて子宮筋腫発生部位を検討した.子宮を前後それぞれ10分割して,子宮筋腫の発生数をカウントした.また,患者の年齢,経産回数についてその関連も検討した.
【結果】症例全体でみるとカウントされた子宮筋腫核の総数は524,子宮底部に認められた子宮筋腫核は310で59%を占めており,子宮底部での発生の割合が多く認められた.中でも底部中央が最も多く,逆に最も少ないのは子宮頚部であり1%未満であった.手術時の年齢でみると40歳以上では79%,40歳未満が56%の割合で子宮底部に多く発生していた.また今回の検討では経産回数では明らかな有意差を認めなかった.
【考察】今回初めて子宮筋腫は約半数以上が子宮底部に発生することが確認された.なぜ子宮筋腫が子宮底部で多く発生するかは明らかでない.しかし,子宮筋腫の発生部位が均一でないことは,病因追求において示唆を与えるものかもしれない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 306-306, 2002


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